ポリ乳酸

トウモロコシのデンプンなどを発酵させて乳液を取り出し、触媒や熱を加えて乳酸の分子を結合してつくる。原料に石油を使っていないので生分解性プラスチックの一種である。一定の条件のもとで水と二酸化炭素に分解する機能があることから、環境負荷の低い素材として注目を集めている。土や水の中では数年は安定しているが、堆肥の中では薄いフィルムなら1週間程度で分解される。現在は農業用のマルチシートやハウス用のフィルム、弁当容器や生鮮食品の包装などに用いられている。食品の容器包装に使うプラスチックの業界団体であるポリオフィレン等衛生協議会は、一定の基準を満たせば安全性に問題のない樹脂としてポリ乳酸を新たに登録した。ポリ衛協が自主基準を設定して、安全性に問題がないと認めた樹脂は28種類あるが、植物を原料にした生分解性樹脂は初めてである。