賞味期限のお問い合せについて

お客様より「内容物はこれなので賞味期限は何ケ月に設定すればよいでしょうか」、とか「脱酸素剤を入れれば何ヶ月になるでしょうか。」といったお問い合せをいただきます。

同じ食品でも原材料の配合率や、製造方法、防腐剤など添加物の有無による影響を受けますので袋の材質や脱酸素剤だけで具体的な賞味期限のアドバイスができるわけではございません。
従いまして「この袋に変えれば賞味期限が長くなるはずです」とは言えても、具体的に「1ケ月伸びる」とか、「何ヶ月に設定すればいいですよ」とは申し上げられません。

賞味期限設定については日本食品分析センターなどの検査機関による試験が可能でございます。

下記該当ページのピックアップです。

目次

賞味期限等設定のための試験

 加工食品に義務付けられている期限表示(賞味期限,消費期限)の設定に際し,基礎データとしていただくための試験を承ります。
国で定めるガイドラインにも示されているとおり,「食品の特性に配慮した客観的な項目(指標)」に基づく期限設定をお手伝いいたします。
まずは,お気軽にお問い合わせ下さいますようお願い申し上げます。



 

お問い合わせ まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
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ご相談/試験設計 製品情報(原材料,製造方法,包装資材等)をご用意下さい。
経験豊富なスタッフが試験プランを策定いたします。
※お客様から開示いただいた情報は秘密を厳守いたします。
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お見積作成 お見積もり,試験設計は無料です
試験費用と保存に関わる手数料の積算となります。
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ご依頼 検体に分析試験依頼書を添えて送付またはお持込下さい。
※弊財団にて保存する場合は,事前予約が必要です。
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試験 微生物試験,官能評価,理化学試験等
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ご報告 賞味期限設定にお役立てください。

期限表示設定の考え方

○ 平成15年に,食品衛生法及びJAS法の改正により,期限表示に係る用語の定義が統一されました。

消費期限 定められた方法により保存した場合において,腐敗,変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日をいう。
賞味期限 定められた方法により保存した場合において,期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし,当該期限を超えた場合であっても,これらの品質が保持されていることがあるものとする。


○ 「食品期限表示の設定のためのガイドライン」 平成17年2月 厚生労働省 農林水産省
消費者庁ホームページ[PDFファイル]はこちら

○ 設定の考え方

期限の設定については,『その食品の品質保持に関する情報を把握する立場にあり,当該製品に責任を負う製造業者等が科学的・合理的根拠をもって適正に設定すべきものである』とされております。
設定に際しては,「食品の特性に配慮した客観的な項目(指標)」に基づく必要がある,とされており,理化学試験,微生物試験等において数値化することが可能な項目を設定する必要があります。また,官能評価であっても,的確な手法によって実施され数値化された場合は,客観的な項目とすることが可能と判断されます。
更に,食品の特性に応じた「安全係数(1未満)」の設定が必要とされていますので,実際の保存試験は,表示しようとする期限までの1.2~1.5倍の期間の試験設計が必要です。

評価のための具体的項目の設定

○ 項目設定の際に考慮すべき事項

規格基準 食品衛生法・衛生規範・JAS法・業界(自社)規格などにおいて,規格基準が設定されている場合,期限内は規格を満たしていることを確認する。
衛生上の危害 劣化要因として,「微生物の増殖」や「油脂の劣化」など,衛生上の危害を及ぼす恐れがある場合,期限内はその恐れがないことを確認する。
栄養表示 表示されている成分に,ビタミンなどの不安定な成分が含まれている場合,期限内は表示の許容誤差範囲内にあることを確認する。
官能評価 官能的(外観,におい,風味など)に変化し易い場合,期限内に商品価値を損なうほどの変化がみられないことを確認する。

○ 項目の分類

理化学試験:化学的試験,物理的試験 等
微生物試験:衛生指標菌,腐敗原因菌,食中毒原因菌 等
官能評価:外観観察,簡易官能評価,官能評価 等

外観観察 パネリスト2名による評価
一般消費者の視点から,食品の外観*(形状・色など),においに明らかな異常がないかを観察します。(独立評価)
簡易官能評価 パネリスト3名による評価
食品の外観*,におい,風味などを対照品(製造直後品,冷凍保存品など)と比較して,官能的変化を評価します。(比較評価)
官能評価 パネリスト10~20名による評価
食品の外観*,におい,風味などについて,対照品(製造直後品,冷凍保存品など)との差を比較評価し,得られた結果を統計解析します。(統計学的評価)

* 写真撮影を伴う場合があります。

評価のための具体的項目の設定

(1) 消費期限表示食品(腐敗・劣化しやすい食品)

微生物試験 主に衛生指標菌
官能評価 2~3名の担当者による簡易的な官能評価;外観観察,簡易官能評価


●モデルケース(腐敗・劣化しやすい惣菜の事例)

保存条件(保存温度) 10℃恒温
試験回数(保存期間) 保存開始時,保存3日後,保存5日後及び保存7日後の合計4回
試験項目 一般細菌数(生菌数),外観観察(外観・におい)
試験結果例 以下の事例では,保存7日後の外観に“異常(カビ発生)”が認められています。
試験項目 保存開始時 保存3日後 保存5日後 保存7日後
一般細菌数(生菌数) 300以下/g 3.6×102/g 2.5×103/g 1.4×104/g
外観・におい 異常を認めず 異常を認めず 異常を認めず カビの発生を認める
試験費用 29,200円(税抜き額)
上記の金額には分析試験費用と検体保存費用が含まれています。

(2) 賞味期限表示食品(品質が比較的長く保持される食品)

理化学試験 ビタミン,水分,水分活性,pH,酸価(AV),過酸化物価(POV),チオバルビツール酸価(TBA価),揮発性塩基窒素(VBN),酸度,糖度,ヒスタミン,硬さ等の物性 等
官能評価 外観観察(独立評価),簡易官能評価(比較評価),官能評価(統計学的評価),写真撮影 等
微生物試験 微生物による腐敗(劣化)が考えられる食品に適用


●モデルケース(揚げせんべいの事例)

保存条件(保存温度) 25℃恒温
試験回数(保存期間) 保存開始時,保存1箇月後,保存2箇月後及び保存3箇月後の計4回
試験項目 水分,抽出油の酸価及び過酸化物価,簡易官能評価
試験結果例 分析試験報告書(2~4頁程度)には期限設定のためのアドバイスを記載します。
試験項目 保存開始時 保存1箇月後 保存2箇月後 保存3箇月後
水分 4.0 g/100g 4.2 g/100g 4.4 g/100g 4.2 g/100g
酸価 0.80 0.75 0.83 0.78
過酸化物価 5.1 meq/kg 5.7 meq/kg 6.0 meq/kg 10.5 meq/kg
簡易官能評価 対照品とほとんど差がない 香ばしい香りと風味がわずかに弱い 香ばしい香りと風味が少し弱い
わずかに食感が重い
試験費用 107,600円(税抜き額)
上記の金額には分析試験費用と検体保存費用(24,000円)が含まれています。
お客様で保存いただく場合には,検体保存費用はかかりません。

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